大体大先生リレーコラム「本物を学ぼう」RELAY COLUMN

スポーツ科学部

2025.05.07

アスレティックトレーニングを学ぼう

筆者:有吉晃平(スポーツ科学部准教授)

1.アスレティックトレーニングって?

 本学にはアスレティックトレーニングコースがあります。この「アスレティックトレーニング」って言葉、あまり聞きなれない方も多いと思います。このリレーコラムの【トレーナーを目指す君に知ってほしいこと(﨑濱先生2025.1.17)】にも詳しく紹介されていますが、「アスレティックトレーナー」は職業名です。では、アスレティックトレーニングとは何でしょうか?

2.アスレティックトレーニングを学ぶ

 アスレティックトレーニングは日本では馴染みの少ない言葉ではありますが、アスレティックトレーナー発祥国のアメリカでは、「ヘルスケアの専門職であるアスレティックトレーナーが行う業務とその領域」と示されています。法律の関係上、国によってできることの違いはありますが、日本でのアスレティックトレーナーの役割は、①スポーツ活動中の外傷?障害予防、②コンディショニングやリコンディショニング、③プレーヤーの安全管理と健康管理、④医療従事者に引き継ぐまでの救急対応の4つ*とされており、選手の安全を確保し、最高のパフォーマンスを発揮できるような支援をするのがアスレティックトレーナーです。
 つまりアスレティックトレーニングを学ぶということは、選手のコンディショニング管理やケガの防止、救急対応、ケガからの競技復帰までのトレーニング、パフォーマンス向上のためのトレーニング研究など、スポーツ医科学や運動の分野における専門的な知識やスキルを学ぶということです。
*日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの定める役割

3.アスレティックトレーニングの学びを活かす

 では、アスレティックトレーニングの学びは、アスレティックトレーナーになるためだけのものでしょうか?私はそうは思いません。「自身のアスリートとしての研鑽」「テーピングやケガの対応ができる部活動指導者」「競技大会の際に救急対応に優れた教員」「ケガの予防や発育発達を理解したジュニアスポーツ指導者」「安全なスポーツ環境を整備できる行政(公務員)」など、その専門的な知識やスキルは様々なスポーツに関わる職業でそのアドバンテージとなるでしょう。
 本学のアスレティックトレーニングコースには、プロのアスレティックトレーナーを目指す者はもちろん、ストレングスコーチ、トレーニング?トレーナーの知識や技術を持つ体育教員を目指す者、自分自身の競技力向上を目指す者など、様々な目的を持った学生がいます。本学はアスレティックトレーニングという学問を「学科?コース」としている数少ない大学です。ぜひとも本学でアスレティックトレーニングを学んでみませんか?

※日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーと中学?高校教諭一種免許状(保健体育)のW資格取得も可能

スポーツ現場での救急対応の学びの様子

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有吉晃平(スポーツ科学部准教授)

専門領域はアスレティックトレーニングで、、日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーの養成に携わっている。主な担当科目は、アスレティックトレーニング実習やスポーツ救急法実習など。社会活動では様々な競技での大会救護や指導者向けの救急法講習などを実施。その他、バドミントン競技に精通しており、本学バドミントン部監督。

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