筆者:森田玲子(スポーツ科学部講師)
1.ダンスの現状
少子化が進む現代においても、ダンス人口は増加傾向にあります。幼少から始め、年齢を重ねても継続できるダンスは、幅広い世代に親しまれています。
その背景には、幼児期のリトミック教育の普及や、2012年に中学校保健体育の授業でダンスが男女ともに必修化されたことが挙げられます。さらに近年では、SNSの普及によりダンス動画が身近になったこと、そして、2024年のパリオリンピックで『ブレイキン』が正式競技として採択されたことなども、ダンスへの関心を高める要因となっています。
ダンスは、スポーツと芸術の両面を併せ持ち、身体を通して自己を表現できる魅力的な活動です。その多面的な価値は、学校教育においても「学びの力」「人とのつながり」「健やかな身体」を育むものとして位置づけられ、子どもたちの『生きる力』の育成につながっています。
2.動きが育む協調と創造:大学で学ぶダンスの力
大阪体育大学のダンス授業では、学校教育における体育のダンス領域である「創作ダンス」「フォークダンス」「現代的なリズムのダンス」を中心に学習を進めます。授業では、学習指導要領の内容に基づき、基本的なステップや音の取り方、伝統的な民衆のダンス、そして創作に必要な要素などを体系的に学びます。さらに、クラスやグループでイメージを大切にしながら協力し、ダンス作品を創作?発表する実践的な活動も行います。加えて、模擬授業を通して、指導内容や指導方法だけでなく、指導に必要な環境づくりについても学ぶことができます。
授業の中で仲間と関わり合い、協力して表現する楽しさを味わうことで、互いを大切にする心が育まれます。仲間と一緒に踊る体験を通して、新たな感性に触れ、それが刺激となって自己表現力や創造性が高まり、一人ひとりの想像力や表現力が育っていきます。また、共に踊ることで、協調性や信頼関係が自然と育まれます。ダンス作品の創作過程では、仲間同士の動きや意図を感じ取りながら互いの表現を認め合うことで、身体を通したコミュニケーションが生まれ、絆が深まっていきます。

体育実技(ダンスⅠ):創作ダンス作品『ダンス王に俺はなる!!』

教職ダンス:創作ダンス作品『マッ唱』
3.あなたも、身体で「自分」を語ってみませんか?
ダンスの魅力は、音楽と身体を一体化させ、心身の健康を促すことにあります。リズムに乗って踊ることで、ストレス解消やリフレッシュ効果が得られるほか、表現力やコミュニケーション能力の向上、体力?筋力?柔軟性?バランス感覚の向上など、さまざまなメリットがあります。さらに、ダンスを通して仲間ができることで、自己肯定感や自信を高めることにもつながります。
ダンスは、技術だけでなく、心を動かす力を持っています。あなたも、身体を通して「自分」を表現してみませんか?ダンスを通して、新しい自分に出会う旅が始まります。
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